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飛行機はなぜ飛ぶのか。

2020.05.17

飛行機はなぜ飛ぶのか?

素朴な疑問を抱く人は少なくないはずである。これはパイロットは必ず知っておかなければならなく、訓練地が国内であろうと国外であろうと必ず通る過程であり最も難しい科目の一つでもある。。
飛行機はなぜ飛べるのか
それは「揚力」以外に無い。この「揚力」に関しては先述「航空機の種類について」の記事も併せて参考にしてほしい。
飛行機に限って説明すると、滑走路を高速で滑走し、その前進速度が「主翼」「揚力」を発生させる。
すると飛行機は離陸に必要な「揚力」を獲得する。離陸に必要な「揚力」はイコール「機体重量」に少しのプラス揚力である。
では「揚力」の要素は何であろうか?それは「空気の流れの違いによる気圧の差」である。
飛行機が前進することによって、主翼の前方から来た「空気流」はその流れが上下に分かれる。一般的な主翼の断面図(図A)は、下面の曲線より上面の曲線のほうが曲がりが大きい。
図A

ここで、主翼前方で上下に分かれた空気流は曲率が緩い下面側では抵抗なく流れる。
一方上面を流れる空気流は曲率の大きさのために下面より抵抗が大きくなり、流れが遅くなりそうなものだが、同じ気体の中で始点と終点では速度は同じになっていないと空気に境目ができるであろう。だが、境目があるとモノがゆがんで見えたり、気流が段違いになったり、とても科学では説明不能な現象が起きるであろう。
だがこのような現象は絶対起きない!
その代わりに主翼の上下面では「空気圧の差」つまり「気圧差」が発生するのである。
上面を流れる空気流は、キツイ曲面の遠回りを早く流れないと下面を流れて来た空気流と合流することが出来なくなる。
先にも述べたが、空気流は継ぎ目など発生しないので終点で合流することになる。
その時流れる早い空気流で、上面には「気圧降下」が発生する。つまり「低気圧」になるのである。
一方、比較的普通に流れる下面の空気流は上面に比べて「高気圧」となる。
水は高いところから低いところに流れるのは常識であるが、空気流も気圧が高いところから低いところに流れる。
つまり空気圧の差で、主翼は上面方向に引っ張られる。言い換えれば上に吸い上げるられることになる。
この「低気圧」に吸い上げられる現象が「揚力」と言われる要素なのである。
このことから「揚力」を多く発生させたければ、上面の曲率を大きくすればよいことになる。
空気力学的には正解である。

曲率を大きくすればいいことばかり?

曲率を大きくすれば「空気力学的には正解」と話した。しかしむやみに曲率を大きくすると、どうしても避けて通れない「抵抗」が増えてくる。
「抵抗」は速度に大きく影響を与えるので、主翼、ひいては機体全体を「低抵抗体」として設計しないと、空気の中を浮揚しながら飛ぶ飛行機は性能が落ちることになる。
飛行機の長所は「スピード」なので、抵抗のせいで速度が出せないなどというのは本末転倒となる。
そこで図Bを説明する。
図B-1、は主翼が比較的「厚い」、つまり上面の曲率が大きい機体である。
図B-1

この機体は第2次大戦中に長距離爆撃機として設計された。(B-29)
この「分厚い」主翼は、燃料を大量に運ぶために「厚さ」増やし、「搭載量」に見合った「揚力」を得る目的で採用された。それにより大量の爆弾を長距離まで運ぶという目的を達成している。「揚力」が増えた機体は同時に「抵抗」も格段に増加し、その結果「スピード」を犠牲にすることとなったが一つの目的だけに特化した飛行機なので、適正な設計と言えよう。
図B-2の機体は「ビジネスジェット機」である。(ガルフストリーム)
図B-2

この機体の1番の目標は「早く飛ぶこと」である。なので主翼の上面と下面の曲率は極めて緩やかで薄く、そのおかげで「抵抗」も少なく、「高速」が得られる。
機体の構造からみても「スピード」重視であることが一目でわかるだろう。

このように「揚力」はその飛行機の設計目的、つまり「使用用途」に沿って決定される。各飛行機はその機体の用途に見合った「揚力」を得ることによって、個性を発揮できるのである。また「揚力」は、それを制御することによって、機体のコントロールをすることにも繋がっている。つまり「揚力」を制御することによって、パイロットは機体の「操縦」をするということである。
もひとつ追加すると、「プロペラ機」「プロペラ「揚力」によって「推力」を得ているのである
この「制御」と「プロペラ推力」については別項で説明する。

結局どうして機体は浮くのか?


*上図は飛行機が飛ぶ上で重要な4つの作用を表している。「Lift=揚力」「Thrust=推進力」「Drag=抗力」「Weight(Gravity)=重力」
推進力が増して、揚力が発生すれば機体が浮き上がる。一方推進力が減り、揚力が下がれば機体は降下する。
というのが簡単な説明にはなるが実際は様々な力学が働いているのは想像に難しくないことであろう。

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